専門の結婚式場や高級ホテルなどには、キリスト教の教会に似た建物や部屋があることがあります。これは、結婚式場専用のチャペル(礼拝堂)です。そしてこうした婚礼専用チャペルでの挙式は、基本的にキリスト教でもプロテスタント式に則って行われます。近年では、キリスト教式の挙式を望む新郎新婦も一般的になってきました。

しかしキリスト教の宗派の中でもカトリックは基本的に新郎新婦の双方あるいはどちらかが信者でないと式を挙げることができなかったり、原則として離婚後に再婚する人は教会での挙式が認められなかったりします。また、プロテスタント諸派(プロテスタントに該当する宗派は複数あります)の場合には新郎新婦の信仰にはある程度大らかな傾向があるため信者でなくても挙式が可能なケースが多いですが、それでも挙式までの何ヶ月か礼拝に出席することが求められる場合が多くあります。自分にはそこまで宗教的な志向はないという方々のために登場したのが、この結婚式専用チャペルです。実際の教会に負けないほど厳かで華やかなステンドグラスなどの装飾が施されています。

なお、西欧諸国では教会の厳かで華やかな装飾があるのは基本的にカトリックであり、プロテスタント諸派の教会は装飾が余りない傾向がありますが、日本のようなキリスト教が非一般的且つ歴史の浅い文化圏では、プロテスタントの教会も(カトリックとは扱われるモチーフが若干異なりますが)装飾が厳か且つ華やかになることがよくあります。婚礼用チャペルの華やかさもその延長線上にあります。